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子どもにカメラを持たせた

かつて養護学校に勤務していました

当時は 養護学校を卒業したあと 社会でちゃんと働けるかどうか それだけが評価の基準だったように感じ そのことに疑問を持っていました

中学部で持ち上がりのクラスを持ったとき 自分の趣味のなかで子どもたちに体験させられそうなものは カメラでの撮影かなと思いました

ポケットマネーで おもちゃのような でもちゃんと撮影ができる小さなカメラを 5人の生徒に持たせ いろいろな活動をしました

授業参観では 参観に来たそれぞれの家族をモデルに撮影会

撮影した写真をポストカードにして 年賀状として文を書き 冬休み前に自宅に送る 元旦に届いたその年賀状を 家族が読んで話題にする

たとえば そんな活動をしていました

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サンフランシスコのリクレーションセンター見学
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きっかけは その前年に カウンセリング演習の集中講座を受けるため サンフランシスコ州立大学に約1か月行っていたときのことです

週末は講義(演習)がなく 一緒に参加していたメンバーと あちらこちらを観光したり 見学したりしていました

見学先の一つ 障がい者のためのリクレーションセンターがサンフランシスコ市内にありました

寄付金で運営されていて 車いすのままで入っていける屋内プールなど バリアフリーの施設が充実しているだけでなく ベッドから離れられない人のところに 出前で行うリクレーションプログラムなどもたくさん用意されていて 障がいがあっても人生を楽しむ それが実際に展開されていることに 驚きました

日本に帰ってきて 自分のクラスで 自分ができる 人生の楽しみを体験させること それは何か ずっと考えていました

そしてカメラを持たせた活動を 1年間展開することでした

勤務していた養護学校は大学に隣接していたので 学生向けの生協に撮影済みのフィルムを持ち込み 現像・プリントを依頼することができました(今のようなデジカメができるなんて 当時は想像もできませんでした)

生協に行くことで 店で実際に注文する学習ができるし できた写真を受け取るのに 現金を支払う体験もできます

こうして その1年間はカメラづくしで活動していました

生徒の一人は 家で立派なカメラを買ってもらって 立派な大人になっても 家族の写真を撮り続けていました

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自分が本当に好きなことを教える
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障害児教育における専門性 それは大切かもしれません

私は もっと大事なことがあると思いました

出張で他県の養護学校の研究会に参加したときのことです

昼食時に生徒さんが日本舞踊を披露してくれました

養護学校のPTA会長さんは 日本舞踊の名取でした

娘さんはダウン症

娘さんに踊りを教えているうちに ほかの生徒さんにも教えるようになったそうです

踊っているダウン症の娘さんは 手の動きやしぐさが ひときわ美しく 感動しました

PTA会長さんは 保護者ですが 教師ではありません でも 日本舞踊の道を究めている それが 娘さんの立ち居振る舞いに 現れていたのです

教員の専門性を考えるとき まずその道に詳しい そのことが一番大切なのだと思いました

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