いつもお子さんたちの笑顔に癒される YouTubeれおちゃんねる さん
その動画をヒントにして 言葉をどのようにして広げていくのか
サンプルとして 具体的な方法を考えてみました
実に他愛のない 誰でもできる方法ですが 背景には 私の長年の経験に基づいた基本的な考え方があります
その基本的な考え方を 皆さんに知っていただいたら お子さんと言葉でコミュニケーションすることや 家庭でどのように言葉を育てたらいいのだろうと考えている方の お役に立てるのではないかと思います
れお君は 時間を気にして 指で数を示すことがよくあるようです
私は それを動画で拝見したので それをヒントにしました
れお君は 数に興味があるそうで ちゃんと指で示すこともできます
時間もわかっているようです
時間のことが気になると 上の絵のように 指で数を示して伝えてくれるようです
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今できていることにちょっと付け足す
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私は 教員になって5年目のときから4年間 養護学校に勤務していました
4年のうち3年間は中学部で同じクラスを持ち上がりだったので 実際にかかわった子どもたちの人数はとても少ないのですが…
言葉を理解しているけれど 発語のないお子さんもいたし
どこまで言葉を理解できているのか 私にはよくわからないお子さんもいました
反対に 冗談も通じる口の達者なお子さんもいました
自閉症のお子さんは3人
言葉の状態も様々でした
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子ども自身が言葉をつかいたいと思うことが土台
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子ども本人が 言葉というものに興味を持って その便利さに気づいて 言葉をつかいたいと思うから 言葉でのやりとりが成立するのです
教え込んだからできるのではありません
ということは…
子どもが興味を持っている・好きなこと・必要と思っていること から
どの言葉を教えるかターゲットを定めることになります
子ども本人が 言葉をつかうことができたという達成感を味わえることが必要
達成感を味わえるようにするには 難しすぎてはいけない
ほんのちょっとだけ 今と違うことをやってみたらできた!!
ということもターゲットを定めるときの観点です
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子どもができている・つかっている言葉をちょっと広げる
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れお君のように 指で数を示すことができているなら
子ども本人が興味を持っていて 必要感もある
数のイメージも持っている(その言葉で何が表されているのかをわかっている)らしいので
それを出発点とします
できていることから始めるのです
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やりとりの仕方を振り返りで再現してみる
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指で数を示してやりとりしている実際の場面では それを見た大人の側は 子どもが何を伝えたいのかわかるので
伝えたいことを即座に受け取って 6時に〇〇だね などと応答します
こういう場面では お互いに すみやかにやり取りが進まないとイライラして コミュニケーションが楽しくなくなってしまうので
その場は 言葉を教える場面に切り替えることはNGです
では どんなときに教えるのか
振り返りをしているときです
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ねえ こうやって時間を教えてくれたよね
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お子さんとゆっくり振り返りができるときに
ねえ (あなたは)こうやって時間を教えてくれたよね
と声をかけてみましょう
そして 上の絵のようなものをかいて見せます
上の絵で 名札に かずくん と書いてあるのは 私のような下手な絵でも ちゃんと誰を表しているのか 子どもにわかるようにする方法です
ここにお子さんの名前を書き込むだけでいいのです
もっと簡単なバージョンもあります
〇と棒線だけでいいのです 顔の中に ひらがなで 名前を書き込むだけです
これなら 瞬時に誰でも絵を描くことができます
かず君は 6時のことを こうやってママ(パパ)に教えてくれたよね
と言いながら 最初の絵のように 自分の指でまねして見せてもいいし 絵をかいてもいいし]
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=(イコール)を使うと便利
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同じ/違う 子どもさんによっては 頭の中で このことがきちんと整理されていないことがあるので そのときは これを教えるところから言語指導が始まります
私がかつて教えたケースでは ある単語をその子が 知っている/知らない を区別できていませんでした
ここでは 言葉で言えなくても頭の中では理解できている という前提で次に進みます
小学校で算数の時間にしか用いない =(イコール)のマーク
これは 言葉の指導では とても便利に使えます
何せ 算数の学習にもつながっているので
=のマークの左側と右側が同じである という意味なので
言葉のときにも そのまま使っていました
同じとか 違うとか 言葉を書かなくていいし 一つのマークで端的に表してくれます
子どもの頭の中に描かれている6時を指している時計のイメージ これが 表されるもの
表す記号は 6という数字 これは文字の一つ
筆談をするなら これだけでもいいのですが
私たちは 話し言葉(音声)によるやりとりをすることが多いので 絵にあるように
マンガにある吹き出しを書いて その中にセリフとして 文字を書いていきます
読み仮名もつけます
ここまで できれば お子さんと一緒に読み仮名を 一文字ずつ読んでもいいし
どれがお子さんにとって使いやすそうかを 見ていきます
口で言えないときでも 書いた文字を見せるとわかる とか その反対で
文字で見せるとわかるけれど 口で言ったことは理解できない 覚えられない
そういうケースもあります
ですから 言葉として わたしたちがひとくくりにしているものは
実は いろいろな回路の連携によって成り立っていて
苦手な回路があっても 得意な回路を見つけることができれば やりとりはできるのです
話し言葉と書き言葉という分け方があるように それぞれ 使う回路が違うと考えるのです
お子さんが どの回路を使うとやりとりがしやすいのか 療育の先生などと話をするときは そういうことを ちゃんと話題にできるといいですね
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